【書評】NEVER
2020年2月20日ウクライナとロシアが国境を挟みにらみ合って3ケ月。ウクライナを支援しているNATO・アメリカからは今にもロシア軍が侵攻してくるようなアナウンスが流れる中、「どこかで折り合いをつけるのでしょう?」と極東の島国では危機感に乏しい。2超大国間の戦争なんて本人たちも困るはず。今は振り上げたこぶしの納めどころを探っている段階でしょう。冷戦の時でさえ直接戦っていないんだから。もしかして、乏しいのは私だけ?冷戦の時とは、状況が全く違う。あの頃の登場人物はソ連とアメリカだけだった。親分と子分みたいなもの。親分が矛を納めろと言えば子分はうなずく。しかし今は登場人物が多すぎる。もう一つの超大国中国、ウクライナ国内の親ロシア派組織。親分を突き上げる子分(国民)。そして錯綜する情報。ウクライナ東部親ロシア派支配地域で砲撃があったらしい。ウクライナ側の暴発か、親ロシア派の自作自演か。どちらにしても、ちょっとしたボタンの掛け違いで、恐ろしい結末を迎える可能性がある。
中央アフリカチャドでのテロ対策行為が、世界の終末を迎えかねない争いに発展するフィクション。「あまりにも現実的すぎる」とサマーズ元財務長官が推薦文を寄せています。ちなみに本書では、日本もひどい事になってます。皆さんが本書を読み終わるころには、「しょせんフィクションだよね」と言える日になっていればいいですが。
ケン・フォレット著 扶桑社
投稿日:2022/02/20 投稿者:奥主 歩